予期せぬ出会い
「ひでぇよい」
南国フルーツ頭をした白ひげ海賊団一番隊隊長、不死鳥マルコは廃墟と化した島をみて小さく吐いた。
見張り役が島が見えたということで一人、先に下見にきたのだがこれでは上陸はできない。おそらく感染病か何かで滅びたのだろう。
「おや、これは不死鳥さんですか?」
第三者の声に驚いてマルコは振り返った。
後ろを取られるなど自分が油断をしていたか、この第三者が上手なのか、どちらにしてもマルコは自分にしたうちせずにはいられなかった。
第三者は二十代半ばの先っちょがくるくるとくせっ毛なのが気になる茶髪の男だった。
「誰だよい」
「旅のものです。戦う気はありませんよ、僕は平和主義者なんです」
男はニコニコしながら降参、というように両手をあげた。しかし背中の長い刀が気になる。
マルコは殺気を出して威嚇してみるが、男はニコニコ笑っているだけだ。
「そういえば不死鳥さん。食べ物くれませんか?」
「は?」
「簡単なことです。あなたの船にある食べ物をすこ〜しだけ譲るんです」
「いや、は?」
「わかりますか?船、食べ物、分けろ」
マルコが呆気にとられているのをよそに、男はマルコに片言で説明した。マルコもさすがに頭きて脅しをかけようとしたとき、グ〜〜〜〜〜〜〜〜〜という長い虫の音が聞こえた。
「もう五日も食べてないんですよ。あっ言い忘れてましたけどシトラスっていうんです」
シトラスは苦笑を浮かべて倒れてしまった。
「おい、大丈夫かよい!?」
マルコは思わずシトラスを支えた。しかし聞こえてきたのは…
「す〜、す〜」
気持ちよさそうな寝息だった。
「起きろよい」
小突いてみても反応はない。
迷った末、マルコはシトラスを抱えた。
これが出会い
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