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The White Rose Of Virginity(完)
9


モトラド村の孤児院にて。

セシルは少し驚いていた。


突然、一泊だけ止まらせてくれと頼んできたカイン。
共にいるのは長槍を背中に携えた、スイという名の女性。そして隻腕の大剣をもつ男、ユリアン。



スイとカインは先ほど話があるといっていなくなった。

隻腕の男ユリアンは騎士団の第五部隊部隊長をしているらしくそれなりの貫禄がある。


年は四十前後といったところか。
銀髪と銀眼が人目をひく上、左腕が肩からまったくない。

無口なのかなにも話さない。

それなりに時間も時間なので子供たちは、少し早いが寝かしつけた。


「カインとどういう関係なんだ?」



はじめて聞いた彼の声。
見た目どおりすこししがれており低い。

よく見れば左目にも切り傷なようなものがある。


「別にただの同居人でした。」


沈黙。

沈黙。

沈黙。


セシルはため息が出てしまう。


「カインは騎士団の中でどういった感じなんですか?」


話題がやっと見つかり尋ねた。
切り傷がにわかに動く。


「いつも陛下の仕事に付き合わされて毎日徹夜している。休みの日は訓練指導にでるか城下町でノアと世間話をしている。」


ノアという名前にセシルは敏感に反応した。


「ノアはスイの双子の兄のハジの婚約者だ。」



心を見透かされたように言われてセシルは手にもっていたお盆で顔を隠した。










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