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The White Rose Of Virginity(完)
3

その後、すぐに隣国の王と王女だったものたちは帰って行った。アムステルダム王国へと変わる国へ。

王都にいるものたちは去っていく隣国の王と王女だったものに歓声をあげた。
この日一日はお祭り騒ぎだった。
みながアムステルダム王国万歳、ジューダス王万歳と叫んでいた。


「ジューダス様ってすごいね」


隣でブロンドの子がいった。それにノアは苦笑いを浮かべるしかなかった。
姉の行為に皆が喜んでいる。世界がアムステルダム王国へ変われば平和が生まれる。

でも、それはジューダスである姉が王だからだ。もし姉が王でなくなったら?
一体誰が王になる。

王族は自分とルークだけだ。
だが、ノアは王族の血を引いているとはいいにくい。母は結婚していた。実際、前王は妊娠していた母を襲ったのだ。
それが発覚して母は父に別れを告げられてしまった。
姉はそれを知っている。
姉と自分の間に血のつながりなど一切ない。

ルークは?ルークは姉さんと血のつながった兄弟だ。でも父親は一体誰なんだ。
父親。

そういえば知らない。

ルークが次の王。
ありえなくもない。
実際、王族であれば王になれるのだから。


「ジューダス様ってどんな感じなのかな?」


ブロンドの子、エレンはノアに尋ねた。考え事をしていたノアはあいまいに返事した。
みんな教室の窓から身を乗り出して去っていく、隣国の王と王女であったものを見ている。

教師さえも授業を中断して見入っている。


「おい!あれ見ろ」

一人の男子生徒が指さした。
その先には騎士団が列をなして歩いていた。
恋人であるハジもいる。

だがそのもっとも先頭に堂々と歩く一人の人物が、ジューダスだ。
黒髪に銀眼。人形のように整った顔立ち。王である姉はこんなにも頼もしいなんて。
みんなはその雰囲気というべきか、それが王であることにすぐに感づいた。

初めておもてに姿を現す英雄王、ジューダス。その姿は今まで国の上のほうのものにしか知られていなかった。
人々はいつも噂をしていた。

陛下はおそらくフリークだから表に出られないのでは、と。


ジューダスのその姿に歓声は高まる。


王都の出口でジューダスは隣国の王であったものに握手をした。


そしてその感情のない表情でいった。


「我々に戦争をしかけるのはやめておけ、アムステルダム王国騎士団の数はお前たちよりはるかに優秀で数も倍だ。お前みたいに単純なやつは好きだ。物事が面白いほどトントン拍子で進むからな。」


そこで隣国の王であったものは自分たちがジューダスの手のひらで踊らされていたのだ、と気づいた。







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