The White Rose Of Virginity(完) 2 ジューダスは見下すように隣国の王をみた。 「それで?」 隣国の王とその王女は自分たちがなぜ笑われ、ジューダスの問いの答えにただただ首を傾げるしかなかった。 「それで、と申しますと?」 慎重に言葉を考えんながら隣国の王は尋ねた。 「お前の首はくれないのか?内乱が起こったのはお前の責任だろう、内乱を起こらないよう防ぐ方法、起こってからの対処、すべては王が考えなければならない。なのにお前は革命軍のトップだけの首で、自分の首は守っている。お前が三流ならそこにいるお前の愛する娘も、見た目だけの三流なのだろうな」 隣国の王は一気に体中の体温が下がるのがわかった。 顔が青ざめていく。 王女は体を震わせている。 「では、私に死ねというのですか?あなたは内乱の辛さを知らないからそんなことがいえるのだ。」 ジューダスのため息が謁見の間に響いた。 「おい、よく回りを見渡せ、ここはお前の国と、違うところがないか?」 隣国の王は回りを見渡した。そこでハッと気づく。 「貴族がいない?」 ジューダスの代わりにハジが説明した。既に刀は鞘の中だ。 「半年と少しほど前、陛下は平民の税金を下げ、逆に貴族の税金を大幅に上げたのですよ。貴族はそのせいで毎日抗議をしに、ここへ足を運んでいましたよ、しかもその数日後には抗議した貴族は驚いたことに、ほとんどの者が遺体となって発見されたのです。」 隣国の王は驚いてジューダスをみた。 「あれは私のせいではない、ちょっとしたバカがやってくれたんだ。大変だったぞ?貴族は私に大きな反感をもったからな」 ジューダスはニヤリと笑って後ろに立っているカインをみた。カインはそっぽを向いた。王と王女は青ざめた顔でカインをみた。 この王女はどうやらジューダスの妃となるつもりで、来たのだろう。 「お前の首と国はしっかりともらうぞ?なんせお前の国がアムステルダム王国になれば、全世界が私によって統一されるのだからな」 スイは拍手した。するとどこからともなく拍手が聞こえてきた。 城の外からもだ。 隣国の王と王女は不思議に思いまわりを見渡した。 すると少し離れたところに拡声器がおいてあった。そしてそれは城門においてあるスピーカーへ繋がれていた。 城門だけでない。王都のあらゆるところに置いてある。 「前言撤回は無理だな」 勝利を確信したようにハジがいった。 「喜べ!わが民よ、このアムステルダム王国は世界統一された。」 両手を広げてジューダスは言った。歓声があがる。 カインは苦笑した。 相変わらず裏の裏を読むやつだな。 心の中でつぶやいて違和感を覚えた。 相変わらず?俺はやっぱりジューダスであるユノと関わりがあるのか。 [*前へ][次へ#] |