The White Rose Of Virginity(完) 2 「笑わせんな、ケルゲレン。」 今度は一変して鋭い眼でにらんだ。 右手で目にかかっていた前髪をかきあげた。美しくかつ冷めた銀眼がケルゲレンを捕らえる。 「お前等が今まで娯楽に使っていた金を引いただけだ、遊ばなければ苦しむはずはない。」 「なっ!?それでも一国の王なのですか?」 貴族のひとり、カルが叫んだ。 「今まで平民は遊ぶことどころか明日の食事を手に入れることさえできないほど、苦しんでいた。それがどうだ?お前等は遊ぶための金がなくなるだけで済むんだ、今まで平民がどれほどく苦しんだと思う?どれだけ飢えてきた思う?どれだけ餓死してきたと思う?事実をわかっていながらそれでもお前たちは税を上げた。」 だれもなにも言い返せなかった。 実際、ジューダスの言うことはあたっていたのだから… [*前へ][次へ#] |