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The White Rose Of Virginity(完)
2

「だからってそんな扱いはねぇだろうが!」


怒りに任せ怒鳴り声を上げる。


「そんなに怒らないで、子供をどう扱おうが親の勝手でしょ、それに私は道具として扱うためにこの子を作ったのよ」

「てめぇ、死ねよ」


今までにない低い恐ろしい声で言う。そしてカインは刀を抜いて勢いよく一直線にイノセンスに斬りかかった。


「残念、あなたが殺すのは私じゃないこの子よ」


ハジは目の前の光景を夢だと信じたくなった。それは カインもジューダスも同じだ。
カインとイノセンスのあいだにノアが現れたのだ。


「ごめんね?ジューダスの大切な子だから催眠術をかけちゃった」


いまからサーカスのショーを見るみたいに瞳を輝かせた。思い切り地面を蹴ってしまったカインはもう止まることはできない。
ノアは瞳に光もなくただ立っている。
刀のさきが一直線にノアへ向かう。
刺さると思ったときたくさんの血が音をたてて床へ落ちた。


「つまらない」


本当につまらなそうにイノセンスは霧のように姿を消した。
それと同時にノアは倒れこんだ。


「あ…」


カインの刀はジューダスの腹に深深と刺さっていた。


「クッ」


刀が抜けると同時にジューダスは倒れた。
カインは急いで抱きかかえた。
ハジたちも駆け寄る。


「ロイ…ヤル、あいつを……追え」


ロイヤルは頷き、走って出て行った。
苦しそうに息をするジューダは心配する三人をよそに体を引きずりながらノアを抱きかかえた。


「動くな。ジューダス、傷が…」


静かにノアが目を開けた。


「あっ…」


目の前に苦しそうだが優しそうに微笑むジューダスの顔にノアは驚いた。


「怪我は…ない……な?」

「あの時の人、怪我ってあなたのほうが!」


かまわないとでもいうように首を横に振った。


「お前が…無事…なら……それで……い……い」


ノアの頬に自身の血で赤く染まった手をやる。だがすぐに頬に血だけをつけて再び冷たい大理石の床に倒れた。

遠のいていく意識の中で皆が何かを叫んでいる声が聞こえる。
まぶたが重い。


少し眠ろう…




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