The White Rose Of Virginity(完)
3
カインはラルーの死を受け入れ彼の屍を抱きしめた。
「裏に誰がついているかはわかった、でもそいつを殺したのは隣国の人間ではない、ラルーは騙されたんだよ、金にな」
ジューダスは首だけ振り返った。
「そうだろ?ルーク」
ジューダスの視線の先には金髪に翡翠色の眼の青年が立っていた。ルークであろう青年はつまらなそうに見ている。
「なに怒ってんだよ、お前もその男を殺したがってたじゃねぇか」
ジューダスはルークに詰め寄った。
「あぁ、だけどな殺したいのは聞きたいことを聞き出した後の話だ。タイミングを見計らって殺して」
ため息まじりに言った。
「お前が、ラルーを、殺したのか?」
カインがラルーを丁寧に地面に置いた。
「そうだけど?お前も殺すつもりだったじゃん。あっもしかして自分で殺したかったの?それは悪かったね、でも殺したんだから結果オーライ」
悪気のないルーク、カインは殴りかかろうとしたがジューダスは止めた。
「無駄なことはやめろ、大人しくしていろ」
「なに熱くなってんの?バカじゃねぇの、ジューダスくんも必死にとめちゃって。昔とかわったな」
ジューダスは何も反応示さない、つまんねぇとルークはつぶやいた。
「今、英雄王なんて呼ばれちゃってさ、昔のあだ名をみんなにおしえてやりたいよ」
「あだ名?」
カインが反応した。
ニッとルークが口角をあげた。自分の言いたいことにいい感じで興味を示したのが嬉しいみたいだ。
「そ、たくさんあるよ。家族殺し、忌むべきもの、化け物、虐殺者。まっ俺的にはお気に入りは家族殺しかな」
ジューダスの顔がゆがんだ。
「家族殺しってどういう意味だよ」
「そのまんまだよ、ジューダスくんは「ルーク!!!!!!」
今までにないものすごい怒鳴り声が響いた。ジューダスが殺気だっている。
それにカインは思わず震えそうになった。しかしそれと同時にあることが頭をよぎった。
(どうして俺、あの子の殺気を知ってるんだ?)
「そう殺気立つなよ、別に言うきはないよ、そんなことしたらお前人目気にせずにあれになっちゃうだろ?お前に殺されるわけなんてないけど、服がボロボロになるのは嫌だからなぁ」
ジューダスはまたいつもの無表情無感情になった。
「今回はただの挨拶さ、ジューダスくんの感情のあるとこも見れたし、じゃぁね」
手をひらひらさせてあっというまにいなくなった。
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