The White Rose Of Virginity(完) 7 「おはよー、母さん」 寝癖のついてしまった髪をぐしゃっと掻きながら、居間に訪れるとノアは手元にある本からアポロに視線をやった。 「おはよう、ずいぶん疲れていたわね」 「ん、七日間もあんまし眠れなかったからね」 アポロは顔を洗いはじめた。 「姉さんがアポロの書類見てものすごく関心していたそうよ、あなたを連れてきたのは成功だったってね」 「へぇ〜」 いつも通り、自分のことなのに他人事のようなこの反応。 「それで、しばらくは休暇だって」 寝癖もなくなり、いつものけだるそうなアポロになると、タオルを手に持ったまま空を眺めた。 「マジ?」 「えぇ」 「夕飯はまだ?」 「?まだよ」 アポロは側にあった自分の上着を取り出し、羽織った。 「んじゃ、ちょっと出かけてくる」 アポロは無我夢中で走った。本気で走った。本気に走ったのでいつ振りだろう、なんてことを考えながら、ただ走った。向かうは病院。フィニの入院する病院。 [*前へ][次へ#] |