The White Rose Of Virginity(完) 6 ロイヤルの光が渦となり始めた。渦はユリアンを巻いていく。渦が消え去ると一頭の黒い鱗に覆われた龍が現れた。 ≪彼を死なせてしまったお詫びです≫ 声が響いて渦は完全に消えた。レインズは黒龍の鼻先に触れる。 「ユリアン、なのか?」 黒龍は頷くように目をゆっくり一回、瞬きした。フッとレインズは笑った。 「ここから急いで逃げて!」 ノルンの叫び声が響いた。見ると、頭を抱えて震えていた。 「どうしたの?」 「早くしないとロイヤルの中にとじていた魔力が暴走する。この森の時を止めようとしてる。このままじゃ皆が氷になる。」 ユリアンは翼を地面につけ、乗りやすいようにした。五人は急いでのる。 最後にレインズとユノが乗ろうとしてるとき。 「私、今あなたがなにか考えてるかわかったのだけど。」 「怒ってるか?」 「いいえ、私も同じこと考えていたから。」 「姉ちゃん、レインズ!早く!!!」 二人は微笑みあい、背中に乗った。魔力が森を覆う。 森をなんとかぎりぎりで逃げたとき。 「みんな、今までありがとう。」 見ると、レインズとユノはなぜか立っていた。 「はぁ!?今頃なんだよ、さっさと伏せろよ。振り落とされんぞ。」 「二人とも、まさか?」 アルスが目見開く。 「ごめんね、ルーク。こんなお姉ちゃんで本当にごめんね。」 「アルス、ノルンを頼んだぞ。」 「いやだよ、二人ともやめてよ。」 ノルンが叫ぶ。 「おい、何しようとしてんだよ!?」 ルークが怒鳴る。 「このままじゃ魔力は町にまで及んで、被害がでる。だから俺たちがあの中心に行って、相殺させるんだ。」 レインズとユノは笑っていた。 ルークは必死に走った。 ノルンは泣き叫ぶ。 アルスは怒鳴っている。 二人の体が宙へ。 ユリアンは呻く。 [*前へ][次へ#] |