The White Rose Of Virginity(完) 1 [エリス戦争で魔導師は絶滅したと思われていた。だが、本当は生きていた。深い森の中で、彼らは集落を作り生き延びていた。外に出るときは獣の姿になって生き延びていた。彼らは力を合わせていた。私は即位するまえからこのことを知っていた。幼いころから、私は彼らの集落を出入りしていた。 私には友がいる。彼は魔導師だ。人間が大好きな魔導師だ。彼には血の繋がらない息子がいる。その息子は騎士のユリアン・ローレンツだ。彼はユリアンを息子と呼び、ユリアンは彼を父と呼んだ。 私は彼らのそんな光景が大好きだ。人間と魔導師が種族の壁を越え、家族でいること。 そして、私は一週間後、退位することを決めた。そのとき、私は集落にいる魔導師を全員、王都へ呼ぶ。つまり、魔導師との共存を決めた。彼らは納得した。不安はあるだろう。だが、よく考えてほしい。戦争の前は私たちは互いに、助けあってきたことを。昔できたならば、またできるはずだ。 本当なら見守りたい。しかし、それは出来ない。私にはもう命がないのだ。詳しい発表は一週間後、王城前でさせてもらう。] これがジアに作ってもらったものだ。 内密にするためにジアに頼んだ。 ジアはへとへとだった。 レインズはジアに礼を言った。 すると彼女は 「気にすんな、あたしたちはあんたたちに救われたんだからね。」 そう言った。 レインズは大量の紙を魔法陣の上にのせた。 これで、世界中にばらまくのだ。 紙は地面に溶けていくように、なくなった。 世界はあっという間にパニックに陥った。冷静に受け取る者もいれば、発狂するものもいた。 この一週間は民にとって長い一週間となった。 「準備はよろしいですか?」 ロイヤルは尋ねた。 ユノは頷いた。 白いドレスを纏い、漆黒の髪をゆいあげて。 城門前にたつとたくさんの人がいた。足元には、ラジオに繋がるマイクが。 しんと静まる。 ユノのドレス姿にみな驚いていた。 ユノはゆっくりと口を開いた。 [次へ#] |