The White Rose Of Virginity(完) 6 数日後、私は何も言わず家を出た。 隣人のセラさんに適当に挨拶し、家の中の自分のものを捨てた。 「お前の妹だ。」 城につくと紹介された兄。私の黒髪、銀眼に向こうは怪訝そうだった。私は気にした様子も見せず、鎧の音をたてた。 「ジューダスと名乗っております、騎士として住まわせていただいております。」 「父上、こいつは平民なのですか?」 王は顔を曇らせた。 「彼女には逆らえない。」 兄は私の胸倉を掴んだ。 「なにが目的だ!」 「名前はリンアですよね、兄上。」 リンアはますます怒った。 「質問に答えろ。」 「目的なんて一つに決まっているだろ、あんたらを殺して王になる。」 どすの聞いた声で言う。リンアの手を無理矢理離した。 「夜気をつけておくんだな。」 ロイヤル、と私は後ろにいた者を呼んだ。 「何でしょう。」 「私を雇っていたあのオーナーを殺せ、私があそこで暮らしていたという痕跡を一切消せ、必要なら殺しも許す。」 王とリンアは恐ろしいものを見るように私をみた。 「狂ってる。」どちらかが呟いた。 「そんなの知っているさ。」 私は二人に背を向けて歩いた。言い忘れを思い出し、振り返った。 「私を殺そうなんておもうなよ、生きていたいなら私を王にする準備だけをしろ。殺そうとしたらそこで殺してやるよ。」 ロイヤルは唇を濡らし、いなくなった。 [*前へ][次へ#] |