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The White Rose Of Virginity(完)
4

数日後、私は身なりの悪い格好をした。これなら奴隷狩りにあう。


「その格好なに?」


ノアが不思議そうに顔をだして聞いてきた。私はノアの目線に合わせて頭を撫でた。


「今日はちょっと大変なお仕事なの。でも大丈夫だよ、痛い目にあうことないから。ただちょっと汚れるってだけ。」


ノアはよかった、とちいさく言って笑った。




外は雨だった。裏路地に入って、浮浪児のフリをした。いた。
路地の奥に奴隷狩りがいた。
わざとここで鉢合わせる。そしておびえた表情。思いっきり逃げる。
バカだ。
奴隷狩りは面白いぐらい私の計画通りに動く。

「この餓鬼!いい加減にしろ。」


もうそろそろ。ここでこける。奴隷狩りは簡単に私を取り押さえた。人ごみが集まる。
このまま、早く奴隷市場へ。


「真っ昼間から奴隷狩りかよ。」

と一緒に舌打ちが聞こえた。人ごみを掻き分け、一人の青年が出てきた。黒髪に黒い瞳の男。瞳の色は違った。けれど、その顔は、声はレインズだった。


レインズに似た男は私の頭を抑えていた、男を力いっぱい殴った。


「よぉ、子供一人に男三人とは恥ずかしくねぇのか?」


男たちはレインズに似た男をみて、私を抑える力を弱めていった。その余裕ある笑みは本当にレインズを思わせた。
男たちは何か会話をしていた。でも、私は彼のその顔を目が食い入るようにみた。

男たちはどこかへいった。


「平気か?」


彼は手を差し伸べてきた。でも私は手をとらなかった。とるのが怖かったから。
今までの決意が揺らぎそうで。


「折角、事が思い通りに進んでいたのに、よく邪魔してくれたわね。」


彼は思ったとおり怒った。
私も負け時と言いかえした。その後、ノアが私に抱きついた。ノアは隣人のセラさんに預けることにした。
オーナーのところへ向かおうとしたら彼は着いてきた。
その姿は初めて会ったとき、私が彼を母さんのところへ連れて行こうとしたときによく似ていた。
どこまでも、レインズに似ている。

本当にこの人はレインズなのだろうか?
確かめるにはやっぱり背中を見るしか……



その後、私は彼のせいで稼ぎがなくなった、という理由で彼を誘った。

背中を確かめるために。
彼の家は殺伐としていた。雨にぬれた服を彼は脱いだ。

そこにはあの魔法陣が。
あってほしくない魔法陣が。


「それ何?」


「さぁ。気づいたらあったしな、そういや名前、俺、カイン・アディスアベバね。」


「カイン、ね。」


それがレインズの今の名前。


「カインは小さいことの記憶とかある?」


「そういや、ないな。」



これが薬の副作用。レインズはおそらく見た目からして、十歳ぐらいまで戻った。
そしてともに記憶を失った。





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