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英雄達の軌跡
兄と妹

「ふんっ……役立たずめ……」
そう吐き捨て、レスリーはアンビエントを侮蔑の目で見る。
「(やはりヒルツでなければ無理か……)」

「兄のオーガノイドだというのに、たいそうな言い分だな」
「カオスラス……今は私のオーガノイドだ。どう扱おうが私の勝手だ」
「ゾイドにも意志があるということ、君ならよく理解していると思ったが?」
「それがどうした?人であろうとゾイドであろうと、使えぬものは使えぬ。貴様なら分かっていると思っていたがな」
カオスラスは反論すること無く押し黙った。
「どうした?何も言えぬか」
レスリーは怪しく笑う。
「君は、兄が嫌いなのか?」
「……嫌い、ではない。だが兄は自分の力に溺れ自滅したようなものだ。それは同情には値しない。むしろ私は軽蔑する」
「手厳しいな……」
「そういう世界に生まれ落ちたのだ。『我々』はな……」
レスリーはアンビエントを呼び、その場を立ち去ろうとした。
「どこへ行く?」
「帝都。忘れ物がある」
「忘れ物?」
レスリーは立ち止まり、カオスラスを振り向いた。
「兄の『想い人』……なかなか滑稽で笑えるぞ?」
そう言ってレスリーはニイィッと不敵に笑って見せた。

危険だと、カオスラスはひしひしと感じた。



――――――――――――
レスリーの目的。兄の敵討ちでは無く、復讐そのもの。
アンビエントが哀れですね……


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