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英雄達の軌跡
目覚め

彼女は、自身の目覚めの時が近いと感じた。そして兄の鼓動が消えるのも感じた。
全身の血が沸騰したように熱い。だんだん意識がはっきりしてくる。
一気に視界が眩しくなる。


彼女は目覚めた。

長い時を経て、ようやく時が来た。
兄の悲願。
兄の願い。

己の野望。


幼い頃の虐げられた記憶。その憎しみ。
それが今の自分を動かす力になる。
必ず果たさねばならない。
忘れられぬ苦しみ。
癒えぬ傷。
消えぬ怨み。

「ヨウヤク目覚メタカ」
「!!」
突然意識に入ってきた声に彼女は目を見開く。そこには白衣にフルフェイスの鉄仮面を被った男がいた。
「……だ、れだ……?」
「私ハDr.メタルス。君ヲ迎エニ来タ」
「わたしを?なぜだ?」
「君ハ深イ闇ト大キナ憎シミヲ持ッテイル。ソレハ実二素晴ラシイ力ダ。ソノ力ガ欲シイ」
「……分かった」
彼女はゆっくりと立ち上がる。Dr.メタルスは持っていた布を彼女にかける。
「私のオーガノイドは?まだ目覚めないのか?」
「モウ少シ時間ガ必要ダ。ソレニ、モウスグ彼ラガコノ場所にヤッテ来ル」
「彼ら?」
「君ノ兄ヲ殺シタ男ノ子供達。一方ハ大キナ力ヲ秘メテイル。ソノ力ガ最大二ナッタ時、我々ハソノ力を手二入レル」
「……力か……いいだろう。だが私は私の目的の為に貴様を利用するだけだ。私の力を求めるなら同然だろう」
「構ワヌ。我々ノ目的ハソノ為二アル」
「フン……」
「君ノ名ヲ、聞イテオコウ」
「゛レスリー゛だ。忘れるな」
「ナラバ゛レスリー゛、君二オーガノイドヲ与エヨウ」
「何?」
「君ノ兄ノオーガノイドダ。名ハ知ッテイルダロウ?」
「アンビエント、か……」
゛レスリー゛は口元に不敵な笑みを浮かべた。

その数日後。
リーナとダニエルはレスリーと出会う。
それが、いつかの災厄の元となるとも知らずに……



――――――――――――
レスリーと゛レスリー゛の関係性。
Dr.メタルスをどう書けばいいか悩んだ……




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あきゅろす。
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