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スマブラ
2



「あれ、ついて来たのか?」


後ろから付いてくる人影を振り向きロイが言う。


「トレーニングなら僕たちの方が適任だろう?」


どこにゼルダを誘う必要が?
と、マルスが圧力をかける。
ロイはあわあわと自分の考えを口にした。


「そ、それは剣の練習の話だろー!?
俺は子供リンク対策に飛び攻撃に対する間合いとか、素早い切り返しへの対応を学びたいわけで……」

「ここに大人リンクという最高のトレーナーがいるじゃないか!
それに、彼女はそこまで素早くないだろ?呼ぶならシークだよ」

「っおい失礼だぞマルス本人の前で……!」

「ゼ、ゼルダさんは女の人だから機敏に動かないだけだもんな!」



リンクとロイのフォロー虚しく、ゼルダは悲壮感を背負いこんだ。


「マルス王子……私、トレーニングルームにいたらお邪魔でしょうか……?」


せめて見学だけでも、と言うゼルダに、マルスは酷く加虐的な笑みを浮かべた。


こいつ、ゼルダの心を折りに来やがったな……!

マルスが声を発する前に、慌ててリンクが弁解する。


「ロイが頼んだのはゼルダだし俺たちはおとなしくしとくよっ」


慌ただしく言うとリンクはマルスの肩を引き寄せた。


「なんで今日はやけにゼルダに腹黒さを発揮する……!?」


鋭い剣幕のリンクに便乗し、ロイもマルスに喚き立てる。


「つぶす相手くらい選べよアホ王子っ」

「……そうだね、今はゼルダよりも先に君の相手をしたい気分だ」


にっこりと笑うマルス。彼を罵っていたロイは、すぐさま彼のそばから離れゼルダのもとに移動する。

リンクはそれをバカだなあ、なんて考えながら眺めていた。




「で、結局トレーニングはどうやるんだ?」

「俺の予定ではゼルダさんに飛び攻撃しまくってもらってそれをひたすら避けるってのを考えてたんだけど、先輩達が来るなら話が別だよなあ」


口元に手を当てロイが唸る。


「じゃあ、僕ら2人が君を攻撃してゼルダが後ろからディンの炎をし続けるのはどうだい?」

「賛成だな」


にこやかに提案するマルスにあっさりと肯定したリンク。


なんだよその鬼畜プレーっ!

実質3対1!?無理っ!


あわあわと口をぱかつかせるロイ。
ショックで声が出ていない。


「リンク、マルス王子!それじゃああんまりですよっ」


眉を下げ講義するゼルダに、ロイは感激し瞳を潤わせた。

このトレーニング法が実行されたら自分は当分乱闘に参加出来なくなるだろう。


「なにが不満なんだいゼルダ?」


きょとんと微笑むマルスにゼルダはムッとして返す。


「どう考えても私の仕事が単調過ぎるじゃないですかっ」

「うーん……、なら今回は前線にでてもいいけど、怪我しないようにね?」


しかたないなあと困った顔で笑うマルスに、やった!とはしゃぐゼルダ。


俺が大怪我しますよお二人さんっ!


縋る想いでリンクを見ると、奴は嬉しそうなゼルダを見て何かを噛みしめている。

……先輩、キモいっすわ……。


急激にテンションが下がったロイは、なんの解決策も思いつかないままトレーニングルームへたどり着いたのだった。




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あきゅろす。
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