テニプリBL小説
9
「ぬおおおお!」
「ほう」
「ふんっ!もうお前の人形にも力負けせんぞ!」
「恐るべき成長速度だ、弦一郎」
「俺は一刻も早く城に行くのだ。同い年の蓮二にいつまでも後れをとるわけにはいかん!」
「ふっその意気だ。力だけでなく身のこなしも身につけろよ」
「うおっ」
いうと、柳の人形が素早い動きで真田にかかる。
真田も慌てて応戦するが反応しきれずに木刀を弾かれてしまった。
「くっ……蓮二はどこでそのような術を覚えたのだ?」
「言っただろう。遠くに旅に出たとき叩き込まれたんだ」
「その年で?」
「ふっ、そうだ」
「……蓮二ほどの使い手であれば、年など関係なく幸村の側に仕えられるのだろうな……」
「……どうだろうな。しかし弦一郎、第一王子を呼び捨てとはいけないな」
「うっうむ……そうだな……」
「何か精市様の側に行きたい理由があるのか?」
「……いや、単に……見せたい物があるだけだ」
「……よくわからんが、がんばれよ」
「……ああ」
「精市様と言えば、もうすぐ誕生祭だったな」
「ああ、ちょうど一週間後だな」
「よかったじゃないか、お姿が拝見できる」
「そうだな、元気であればいいが……」
心配そうに真田がいう。
そんな真田の姿を、柳は薄く目を開いて見つめた。
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