Andante
晩餐4
そして注文から10分くらいした頃、きちんとウェイターの恰好をしたカッコイイお兄さんが料理を運んできてくれた。
「お待たせいたしました」
混んでるからもっとかかると思ったけどそんなことはなかった。
ワクワクと運ばれてきた料理に目を向ける。
ああああ……!
「めっっちゃうまそう……!」
器や具はシンプルなんだけど、なんとなくラーメンが輝いて見える。
「ここの飯はうまいぞー」
ニコニコしながら慧が太鼓判を押す。
慧が頼んだのは日替わり洋風定食だそうだ。
ハンバーグとスープとサラダ、パエリアにエビフライ、フルーツまで付いてる。
激豪華!
俺もそれにすればよかったかなとか、でもラーメンも食べたいし追加で注文すればいいかなとか、色々考えている内に慧が口を開く。
「ちなみに、俺のおすすめはオムグラタンだな!」
「注文したあとに言うなアホ……!」
オムグラタンまで食べたくなっちゃったじゃんか!
まぁでも現実的に食べきれる気がしないのでひとまずラーメンだけで我慢する。
とりあえず明日のお昼ご飯は決まったな。
「いただきまーす」
ニコニコとラーメンに手を着けると、慧がこちらを凝視しているのに気づいた。
「……ん?」
「っいや、なんでも」
慧はハッとしてそう言うと、小さくいただきますと呟いて自分もフォークを持って食べ始めた。
そんな慧を少し不思議に思いつつもラーメンを啜る。
……めっちゃうまっ!
クセのないスープも喉越しのいい麺も相当うまい!!
毎日ラーメンでも良いななんて思いながら夢中で食べ進める。
「聞くまでもなく旨そうだな」
おかしそうに笑う慧に、俺は笑顔で応えたのだった。
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