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Andante
おやすみ


風呂から戻ると休む間もなく俺は部屋の掃除に取りかかった。
こんなに荒れてたら夜中トイレに行けない。

慧も一緒に手伝ってくれたので、今度こそ俺の部屋は片付いた。


「ありがとな慧」

「ん、構わねえよ。……そろそろ寝るか」

「だな」


瞼が重く感じる。
時計の針はそろそろ12時後半を指す頃だ。


「食堂までの道、まだ覚えてないだろ?」

「ああ」

「朝飯が食べたけりゃ8時には起きろよ」

「早くね!?」

「早くねーよ!」


多分世間一般的にも早くない。
でも夏休みなんだぞ!?午前中は寝る時間帯じゃないか…………。

そう返しても、慧は意志を曲げなかった。


「この時間に起きなかったら一人で行くからな」


そう言って自室のドアをくぐる慧。


「んじゃ、お休み」

「な……ちょっと」


待てって。

そう言おうとしたけれど、その前に奴は笑顔で手を振り扉を閉めてしまった。


「ひでぇ……」


仕方なく、俺も部屋に入った。


一応8時に目覚ましをセットしたけど果たして起きられるだろうか。
恥ずかしながら俺は今まで母さんに起こしてもらっていたので目覚ましだけで起きられる自信がない。
慧が起こしに来てくれるのを信じるしかないな、切実に。

俺は少し不安ながらもベッドに横たわる。


フカフカと心地のよい弾力性に眠気を誘われ、瞳を閉じると俺はすぐさま意識を手放したのだった。



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あきゅろす。
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