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私立空来学園
2
「…ヒカルちゃんママとパパがお話があるって言ってるのにそれより大事な用事があるっていうの?」

一拍おいてから母さんは素晴らしいほどの笑みを浮かべ、テーブルをトントンと指で叩いた。

やっぱり無理だ…。
流石昔レディースの総長をしてたこともあって、笑みが恐すぎる。
隣に座っているほんわかな父さんとは大違いだ。
現填城家当主である父さんはビジネス面ではかなりやり手で有名だけど、そんなやり手な父さんが何故こんな女性と結婚したんだろうか…?
それが今だに謎だ。

「ヒカル陽菜さんの話しを聞いてあげて。」
ニコニコと母さんとは別の笑みを浮かべて父さんが言った。

「…分かったよ。」
父さんに説得されなくても俺の答えは一つしかないよ。
溜息を吐きながら椅子に座った。

「流石パパ!」
さっきの素晴らしい笑みはどこへ消えたのかと言いたいくらい俺に向ける笑みと違う笑顔を父さんに向けている母さんに内心呆れながら、要は父さんは母さんに騙されたのかと思った。

…こんなこと本人に言ったら殺されるけどな。

「ふふふ陽菜さんに褒められると僕嬉しいよ。」

「あら、本当のことを言ったまでよ。」

息子の俺を忘れてイチャイチャし始めた夫婦に歳を考えろと言いたくなってきた。
二人とももう30代後半なのに20代前半と思われる容姿にほんとは化け物なんじゃないのかと、昔はよく思ってた。

「…それで話って何?」

後が恐いがこの状態だと5時間は終わらない為二人の空気に割ってはいった。

「もうーめっ!ヒカルちゃんパパとママの邪魔しゃ駄目でしょ。」

「いっ!」

母さんはこちらを向くとまた素晴らしい笑みを浮かべておでこにデコピンをしてきた。
これが地味に痛いぞ。
このデコピンには「何私と琉依のラブラブの雰囲気をぶち壊してるのよ!」って、意味を込められているんだよね。

もうこの親やだ。








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あきゅろす。
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