私立空来学園
悪夢の始まり…
「ここがほんとに学園なのかよ…。」
一人の少年が人の3倍以上もある門を眺めながらポツリと呟いた。
ここはとある県の山奥にある名門私立学園。
そこに似つかわないようなボサボサな髪の毛に年代物の縁眼鏡をかけた少年が立っていた。
簡単に言えば根暗のような姿なのだ。
「はー…なんで俺がこんな格好をしないといけないんだよ。」
少年が言っているように、根暗な姿は本当の姿ではなく変装なのだ。
この少年の名前は填城ヒカル。
色々な面で幅広く活躍している填城財閥の一人息子であり、月光というここら一帯の頂点に立つ族の総長をしているのだ。
「このままこの門を潜らないで闇夜にでも行っちゃうかな。…無理だ、すぐにあの人にばれて、俺に明日がなくなる…。」
あの人の黒い笑みを思い浮かべると寒気がしてきた。
―2日前―
「そろそろ闇夜にでも行こうかな。」
夕食も食べ終わり、食後の休憩もした21時頃、月光のたまり場である闇夜に行こうとジーパンにTシャツと黒いパーカーを羽織り、あまり目立たない格好になって「さあ行くか。」と思いながら階段を下りてるとリビングの方からあの人の声が聞こえた。
俺は嫌な予感がした為行きたくなかったが、後が怖いため嫌々ながらもリビングに足を運んだ。
「ヒカルちゃん行く前にお話があるからちょっと座ってね。」
リビングに入るとあの人…母さんが自分の目の前の椅子を指差した。
…嗚呼更に嫌な予感がするぞ。
「俺急いでるから後じゃ駄目なの?」
俺は軽く抵抗をみせようとその場から動かず突っ立って聞いた。
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