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School wars
04

×9時間目×
(「あぁっ!!残してた菓子パンが・・・!!」「青黴(あおかび)付きで良いなら、まだゴミ箱の中に残ってるぞ」)




「あ〜、腹減ったな」


4時間目が終わって空腹を抱えた俺は弁当を持って屋上へ向かおうと立ち上がった。


「あれ?今日弁当忘れちゃったみたいだ」


廊下に先に出て待っていると、鞄を漁っていた陽がこっちを向いて報告してきた。


「そういえば今日は鞄から出してなかったな」

「こんなときは・・・」


何故か弁当を忘れてきたというのに笑顔の陽はロッカーへ向かった。


「あ?あいつ、ロッカーは空じゃなかったか?」


首を捻るが、更に疑問だったのは、奴が自分のではない場所の扉を開いたのだ。
空いているロッカーは色んな物が突っ込まれていてオモチャやゲームなどの私物が殆ど。
昨日俺が掃除の時間に一掃してやった。
中には牛乳やら賞味期限の切れた食い物が入っているのもあって苦労した。


そんなことを考えていたら悲鳴が聞こえた。




「あぁっ!!残してた菓子パンが・・・!!」

「青黴(あおかび)付きで良いなら、まだゴミ箱の中に残ってるぞ」


お前だったのか!!
と突っ込みたくなるのを抑えて、ゴミ箱を指差す。


悪臭は漂っていなかったが、明らかに人間の食い物ではなくなっていたそれを昨日処分したのは俺だ。
触るのもおぞましかったが、放置するわけにもいかず捨てたが、今も残っているはずだ。


「俺のパンーーー!!」

「待てっ!食う気か!?」


ゴミ箱を漁る勢いの陽に待ったをかける。


「邪魔しないで!俺の生死がかかってるんだから」

「大袈裟なんだよ!一食抜かしたくらいで死ぬか」

「俺は死ぬんだよ」

「あー、わかったから。俺のやるから漁るのは止めろ」

「本当!?」

「おう、間食用だったけどやるよ」

「俺ってば財布忘れちゃって食堂どころか購買もいけないんだよ。ありがとう」



感謝感謝と笑っている陽。
呆れ気味に目をやると、ポケットからはみ出ているものがある。




「あれ?お前のポケットに入ってるのはなんだ?」

「え?財布の形した筆入れ」

「ほぉう。お前は筆入れを常備しているのか」

「そうだよ。俺は勉強熱心だからね」


余りにも図々しく嘘をつくものだから呆れを通り越して感心してしまう。


「・・・・金があるんだったら新しいパン買ってこい」

「え〜、勿体無い」

「このアホ・・・」

「透のパン頂戴?」


にっこり笑顔でおねだりをしてきたが、そんなものに騙されてやるつもりはない。



「やらん」

「じゃあやっぱり・・・」

「! わかった。やるから本当に漁るな。汚いだろ」






結局俺の間食用の菓子パンはおいしく陽に食べられましたとさ。


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