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School wars
03

×8時間目×
(「一度で良いからダブルベッドで寝てみたい」「ダブルベッドは跳ねるためのモンだろ」)




「なぁ、この前さ、六歳のときの夢が世界テロって言ってたよな?今の夢ってなんだよ」


恐いもの見たさというやつだ。
帰り道に聞いてみる。
家が隣なのだから帰り道が一緒だというのは仕方ないだろう。


「とりあえず・・・」


意味ありげにそこで言葉をきった陽。
ちらりとこちらを見てくる。

俺は何を言うのか固唾を呑んで見守っていた。


「一度で良いからダブルベッドで寝てみたい」

「ダブルベッドは跳ねるためのモンだろ」

「え?透って非常識だね」


余りにも平凡な夢を言われて動揺した。
思わず意味のわかんないことを言ってしまった。


「お前にだけは言われたくねぇよ!」


自分でも非常識だと思ったよ。
でも、あんなもん無駄にでかくてよく跳ねるんだからトランポリン代わりでいいんだよ。

昔、本当にそういう使い方をすると思ってたんだよ!!
親にそう教えられたんだよ!


恥ずかしさと苛立ちで八つ当たり気味に話し続ける。


「透、いいよ。純粋培養って感じで」

「待て、お前何の為に寝るんだ?」


親指を立てながらウインクしてきた陽。
今更に疑問を持った。
こいつが言うんだから何か裏があるに決まっているんだ。


「え?そんなの女を侍らしてナニする為・・・」

「おいっ!!」


ある意味期待を裏切らないというか・・・。
壮大な夢を話そうとしだした陽を遮る。


「何?男なら誰でも一度は夢見るでしょ?」

「見ねぇよ!!少なくとも俺はな!」

「え〜、それは透が純粋培養された所為だって」

「別に純粋じゃねぇだろ」

「じゃあ、純情?」

「なんか女みてぇだから止めろ」

「初めては好きな人と・・・って考えてるんじゃないの?」

「そんなの当たり前だろ。ってか、下ネタ止めろよ!!」


顔を真っ赤にして止める透とは逆ににまにまと笑いながらからかい続ける陽。


「切っ掛けは透でしょ?」

「そういうつもりで聞いたわけじゃねぇ」

「ま、いいや」

「とりあえず、ダブルベットで寝るのが夢なんだな」

「あ、なんだったら透と二人でもいいよ」

「・・・・そっちの趣味があったのか?」


陽の爆弾発言に俺は思い切り引いた。
勿論一気に5メートルは離れた。


「ヤダなぁ。勘違いしないでよ。透抱いたって気持ちよくないもん。普通に枕投げとかするんだよ」

「待て待て待て!俺が女役なのか!?」

「そこに反応するんだ。透って意外とむっつり?」

「お前がオープンすぎるんだよ!」

「そんなことないよ?隠すの得意だし」

「そうだな」




今日も実りのない話をしながら帰る。

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