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School wars
01

×1時間目×
(「なんつーか、平凡な出会いだったよね」「びっくりしたよ。お前に1つでも"平凡"が当てはまる事が起きたなんて」)





「なぁ、そういえばお前、俺らの出会いって覚えてるか?」

「なんつーか、平凡な出会いだったよね」

「びっくりしたよ。お前に1つでも"平凡"が当てはまる事が起きたなんて」

「そうだね。俺も驚きだよ」

そう言って隣で寝転ぶ陽は笑った。



―――腐れ縁とはよく言ったもので、俺、九条透と高藤陽は幼い頃からご近所ということで一緒の小・中学校に通っていた。
だが、実際には俺は運動系のタイプで、奴は文化系のタイプだと思っていて深い付き合いはこれっぽっちもなかった。

しかし、中学校に入って俺らの仲は急激に縮まる。



中2の春。
クラス替えがあって、そこに見つけた奴の名前。


ああ、奴だ。

ただ、それだけ。
別に特別な感情などなかった。
きっと今まで通り関わりなく過ごすんだろうなと漠然と思っていた。

出会いの春とは言うが、まさかあんなベタな出会いをするとは今では想像もつかない。



「じゃあ、新しいクラスになったので自己紹介を」

そう言って担任は生徒にそれぞれ好きなことを言わせていった。



「九条 透。出身は坂井第一小です。部活はバスケ。趣味もバスケです。よろしく」


簡単な自己紹介を済ませて、奴の番になった。

出席番号順に並んだ席。
そして、そのときになって初めて気づいた。
そいつが俺の隣の席だったということに。


「高藤 陽です。坂井第一小出身です。趣味は読書。帰宅部です。よろしくお願いします」

淡い茶色の髪が太陽の光で煌めく。
柔らかく笑う様は女子が騒ぐのも頷けると思った。
確かに顔は綺麗だ。
睫が長くて伏目がちにすると影が出来る。
薄い唇は緩やかな笑みを浮かべている。



まるで、人形みてぇ・・・。



久々に見た第一感想はこれだった。
確かに昔ちらっと見たときも女みたいだと思ったものだ。




自己紹介の間ずっと見ていた為か、目が合った。


奴がゆるりと笑う。

それに反比例するように俺は眉を顰めた。
なんとなく、嫌な笑い方だと思ったのだ。



最初の接触はこれだけ。






そして、次に奴と接触したのは授業の時。

俺が誤って消しゴムを落としたとき、それは奴の足元に転がっていた。

「はい。これ」

そう言ってそれを渡してきた陽。

いつも穏やかに笑っていて、王子と呼ばれていた。
ただ、俺はそんな奴とはお近づきにはなりたくなかったので、さっさと受け取るとぶっきらぼうに礼を言った。


「あんがと」

「どういたしまして。君、隣の家の透君だよね?」

「あぁ」


今更そんな事を聞いてるか?
今までいくらでも話す機会はあったはずなのに・・・。


「久しぶりだね」

「つっても、お互い大して知りもしねぇけどな」

「そうだね。でも、俺は知りたいと思うよ」

「俺は別にどうでもいい」


心底どうでもいいと思っていた。
だって、住む世界が違うと思ってたから。


「ねぇ、あんたは俺を楽しませてくれるかな?」


いつもの笑みじゃない裏のありそうな笑い方。
背筋が凍った。


「意味わかんねぇ」

「そう?そのうちわかるんじゃない?まぁ、その時には遅いけどね」








「・・・・って俺が言ったんだよね。そしたら透、鳩が豆鉄砲でも食らったような顔をするからおかしくて」

「いや、豆鉄砲どころかライフルだろ・・・・・・・あれ?平凡じゃなくね?」

「いや、出会いだけなら平凡だよ」

「それって、あの目があっただけのをカウントしてるんだろ」

「勿論」

「やっぱお前は平凡からは程遠いよ」

「ありがとう」

「褒めてねぇよ!!」


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あきゅろす。
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