novel
雨による隔たり2
A
フランシスが寝床から起き出して、うねる髪をブラッシングしている頃。
朝からずっと降り続く雨を眺めて、昼を過ぎても一向にやってこない思い人を待ち侘びる男がひとり。
「なんでこねぇんだよフランシスううううう…」
机に突っ伏して唸り声を上げるアーサーの家には、フランシスが来ると聞き付けた、アルフレッド&マシューの北米兄弟とピーター、香港、セーシェルまでがやってきていた。
「HAHAHA☆君のスコーンは兵器だっていつになったら理解できるんだぃ?
フランシスには俺のカラフル★ドーナツバーガーを食べてもらうんだぞ☆DDD!!」
「ねぇアル、メイプルシロップかけたらもっとおいしくなるんじゃないかな?」
「アル…お前それ確か一つで1500キロカロリーだったよな?
それ以上メタボ加速させてどうすんだばかぁ!!!
マシューも加勢すんな!」
「シンパイスンナ、ドレモタベテモラエネェヨ。」
「ク、クマンシスさんひどいよお〜」
「ダレ?」
「マシューだよっ!!!」
世界三大料理国の一部である香港は我関せぬといった様子でケータイをいじっている。
「え?英国さんが料理?(ぷすー笑)まじパネェっすねwww
俺?ヤオのじーさまにずっと作ってもらってたから料理とかまじ作れない的な?
あ、アルさんあざっす。バーガーうめぇwww」
勝手にマ●ドパーティーを始めた3人+1匹から離れて座っているのはピーターとセーシェル。
「あー喉かわいたですー。メロンソーダよこせですよ★ひげやろうのマカロンが食べたいですよー…」
「フランシスさんこねぇってどういうことすかバカマユゲ。
せっかくカジキマグロ持ってきたのに!!!」
「だあああーっ!!!てめぇらうるせぇんだよ!!!
だいたいなぁ!俺は本田だけに試食の連絡したんだよ!!!どこから聞き付けてきやがった!」
「HAHAHA!菊のとこの情報なんて俺に筒抜けなんだぞ★」
「『誰がメシマズ連合王国に行くかァァァ!こちとら〆切り前なんだよォォォ!…香港くん。という訳で私の代わりに行ってきなさい』って言ってたっす。英国さんタイミング悪すぎ的な?」
表向き『ええ、考えておきますまた今度。』と笑顔で返事されていたので、アーサーはさらに凹んだ。
「別に慣れてるからな!こんなこと!!!本田いなくても作れたし!!!」
そんなこんなでどたばたしてる間に、すっかり日も暮れてしまった。
「ちっくしょおおお〜…フランシスのばかやろおー………呑んでやるうううううッ」
Σ!!!!!???????
(総員撤退!総員撤退だあああああああッ!!!!)
酒瓶が空になるころには、アーサーの周りに誰もいなくなっていた………
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