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しくしく
泣かないと決めた私は現在号泣していた



父さんごめんなさい



『うわぁああああああん!』



よくよく考えてみれば最初からおかしい事ばかりだった。



噴水に落ちたはずなのに海みたいな水の底だし



『ふえぇえええええん!』



だいたい水の中なのに息出来てるし、普通に喋ってるし!



あ、あ、足は魚になってるし!



『うええぇええええん!』



もう七不思議所じゃないよ〜…!!!



私を慰めようと背中をさすりながら、さっきの女の子がオロオロしている



周りには人の気配もしてきた



私の大声になんだどうしたと心配するような声がする



顔を上げて大丈夫ですと言いたい所だけど彼らの足を見るのが怖くてそれもできない…



『ひっく!ひっく!』



もう泣きすぎて涙も出なくなりそう…



そんな時私の頭の上から男の人の声がした



「そち、大丈夫か?」



そち?



そちって何?


オリンピック?



『大丈夫じゃないれす〜!!!!!』



再びわんわんと泣く私の頭に大きな手がのせられた



「よしよし。泣くでない、泣くでない。」

大きな手は小さい子をよしよしと慰めるように私の頭を優しく撫でた




今朝綺麗に巻いてきた髪の毛がぐしゃぐしゃになっちゃうよ…



とは思いつつも、その大きな手から伝わる暖かさが心地好くて振り払う事はできなかった



「よしよし。所でそち、名はなんと申すのだ?」



私は…



わたし、は





「そち…?」





『…ぐう』






疲労困憊です





しくしく



あきゅろす。
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