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あたし



学校からの帰り道
ポツポツと足元のアスファルトに音を立てて雨粒が落ち始めた



「あめ…」



上を見上げると空はどんよりと灰色に曇っていた



「土砂降りになりそうだなあ…」



私は不安になって
頭の上に鞄を上げて走り出した






ーーーーーーーーーーー







「はぁ、はぁっ…」




ついに本格的に降り始めた雨は私の体を濡らしていった



制服に染み込んでいく雨はとても冷たい



それに濡れた制服が体に張り付いて気持ち悪い…



早く家に帰って
お風呂に入りたい…



そんな事を考えていると真横に公園が見えた



「あっ…そうだ!近道近道!」



小さい頃よく遊んでいた公園



この公園は家までの道のりをショートカットできる



けれどゆっくり歩きながら
帰るのが好きな私は
公園を利用する事は余りなかった



いつもなら傘を
持っているから使わないのに…



そんな事を思いつつ私は朝に見た天気予報を思い出していた


「もうっ…お天気お姉さんめっ!」



言ってもどうにもならない事を呟きながら私は公園へと足を踏み入れた



「え…?」



足を踏み入れた瞬間



公園の隅の方に違和感を感じた



何か黒い物がある…



「なんだろう…?」



走るのを止め
ゆっくりと近寄っていくと



その正体が分かった



「ねこさん…??」



そう
そこにいたのは
黒猫だった




体中傷だらけで
泥だらけ



黒猫が倒れている水たまりは
うっすらと赤くなっていた



「たっ!大変…っ!!」



私は急いで
黒猫を抱き上げた



黒猫は意識が無く
にゃあと小さく呻いただけだった



私は胸に黒猫を抱えて
家へ向かって走った








あきゅろす。
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