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すると私の視線に気付いたのか

彼女は私の方を見た



「あなたは人間ですね?」



「…は、はい」




「やはり、そうですか。」



彼女はそう言うと
再び目を閉じてしまった



ライトはそんな
指揮官に語りかけた



「…指揮官
僕には彼女をもとの世界に戻す義務があります
どうか、希望の扉のある場所を教えてはくださいませんか?」


義務







ライトは次々と不思議な事を
彼女に話していった



しばらくしたあと彼女は
目を開きライトに呟いた



「この子を導いたのは猫
きっかけは貴方
そして扉は…女王の下」



「女王…!そんな…!」


ライトは酷く落ち込んでいた
どうしよう…



焦ってしまった
私はライトの肩に
手を置いて話しかけた



「ラ、ライト…
大丈夫、だよ
よく分からないけれど…その」



すると彼女が目をぱっと開き
私の方を向いた



「ライト?」



「え?」



「ライトとは
彼の名前なのですか?」



「あ、名前がないと不便なので
わ、私が考えたんです」



綺麗な指揮官に見つめられて
あわあわしながらも
私はなんとか答えた



すると彼女はにこりと笑った



その美しさにどきりとした



彼女は再びライトの方を向き



「ライト
顔をあげて下さい」



と言った



「指揮官…」



「ライト
良い名前を貰いましたね
貴方はもっと彼女に恩返しをしなければいけませんよ?」



「…はい!」



「分かっているのなら
早くお行きなさい
目をそらしてはいけません
女王も分かってくれる筈です

さあ、貴方達なら大丈夫です
何があっても2人なら」



ライトにそう言った後



指揮官は静かに
私を見て言った



「貴女、名前は?」



「…み、深光です!
深い光って意味なんです」



「そうですか…いい名前です
では深光、貴方のその光で
ライトを導いてやって下さい
そして、これだけは
覚えておいて下さい
…2つの光が重なりあった時、光はより一層輝きを増す」



「え、ええと…
どういう意味ですか…?」



私がそう尋ねると
指揮官はくすりと笑って
目を閉じた



「…それは貴方達しだい」



その時ライトが私の横に並んだ



「さあ行きなさい光の先へ」



よく分からない
事だらけだったけれど
なんだか頑張れる
そんな気がした



別れ際
指揮官は



「さようなら深い光

またいつか会える日まで」



と言って私の頬に
キスをしてくれた



そして私も



「またいつか」



そう言って指揮官の頬に
照れながらもキスをした



何故だかライトが
焦っていたけれど



花道を抜けるまで
私はとても幸せな
気分でいられた



花道を抜けるまでは…






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あきゅろす。
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