3 近くに落ちていた小枝をもって 土に漢字を書いた するとライトは 不思議そうな顔をして 「…?この字は君の世界の字かい?」 と言ってきた まさか漢字が 読めないのかと聞くと 此処の世界に 漢字なんてないよ と普通にいわれた やっぱり普通じゃないんだ この世界は… 私は悲しいような 嬉しいような よく分からない 気持ちのまま名前を言った 「…深光(みな)」 「みな?」 「そう」 「この字はどういう意味があるんだい?」 「…こっちは深い、こっちは光」 ライトは微笑みながら呟いた 「深い光か…いい名前だね 半分僕とおそろいだ」 いい名前…? そんなことを言われたのは 初めてだった 何だか心の奥が 暖かくなった ∴ おわり [*前へ] |