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雪月花
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「でも、写真部って何やるんすか?」
ここで失礼ながら、俺も疑問を口にする事にした。
何となくなら活動内容も思い付くのだが、いまいちピンと来ない。
そもそも何撮るんだ?
人か風景か…こないだ駅でしきりに電車を撮影してる輩も見かけたが、電車とかか?

「各々好きな写真撮って終わりだよ。合宿って程大層なもんでもないけど、たまに風景写真が好きな奴らで集まって遠出もするし。
一応学校側に活動の成果を見せる為に文化祭で展示したりはするけどな。
基本的に自己満足の世界さ」
「身にならなそうだなぁ」
「そんな事ないぜ?
プロの写真家になりたい奴らなんかはコンクールとかにも応募してる」
「コンクールねぇ。先輩も応募したりしてるんすか?」
「あぁ、してるよ」
先輩は大きく頷いた。

コンクールとかますます俺にはワケ判らん世界の話だ。
写真送って賞獲ったら雑誌に掲載されるとか、そんな感じか?
これっぽっちもピンと来ないぜ。

「―――んだけど、お前ももし時間があったら来てみてくれないか?」
「ん?あぁ、すんません。何て?」
いけねぇいけねぇ、モノローグに気を取られてて話を聞きはぐってしまった。

「いや、だからさ。
こないだのコンクールで賞を獲ったんだ。
で、俺の写真が展覧会に展示される事になってさ。
もし忍に時間があったら見に来てくれねぇかなって」
「ちょ、まじすか!すげぇ!」
「知り合いに見られるのって結構恥ずかしいんだけどな」

いやいや、十分すげぇだろ。
コンクールって結構何人も応募してくるんじゃないのか?
その中で賞を獲るのって、そうそう簡単な話じゃないハズだ。
てか、やっぱ先輩すげぇよ。
陸上で良いとこまで行ったり写真で賞獲ったり、多才すぎらぁ。

「最近スランプ気味だったからさ、自信なくしてたんだよ」
言って、先輩は空を仰ぎ見た。
「先輩がっすか?」
「あぁ。写真って撮る人の心境も写すって言うか…
不安や悩みがあったりすると、撮った写真もどこか変な感じになるんだよ。
明るい写真なのにさ、暗い気持ちで撮るとどこか影があるって言うか…暗い感じになっちまったりな」

俺には全然わからねぇ世界だな。
そう言うもんなのか?
風景なんてどう撮っても同じじゃねぇの?

しかしだ、そんな事を言うくらいだから何かしら悩みがあるんだろう。
先輩程の人の悩みを俺なんかが解決出来るワケもないが、
「何か悩みでもあるんすか?」
とりあえず聞いてみる事にする。

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あきゅろす。
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