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雪月花
30
「消されるなよ。またここに戻ってこい」

俺の口から出た真っ直ぐな言葉に、一瞬れいんは目をパチクリさせた。
そして小さく鼻で笑い、
「無論、そのつもりよ。首洗って待ってなさい」

首洗って!?
それ俺に言うセリフじゃねーだろ!?

「で、何処で戦うつもりよ?今夜か?」
「…教えない」
と、今日にムッとするれいん。

「何故に」
「来ちゃダメだから」
「行かねぇよ。俺はテスト勉強しなきゃなんねーし」
「嘘。言ったらきっと付いてくる」
言って、れいんはジッと俺の目を見つめてくる。
そこにそれ以上の言葉はなかった。

「…付いていかねーって。パンドラとか言う術に巻き込まれたくもないし」
「私としても、今回だけはシノブを巻き込みたくない」
それが、れいんの本心なのだろう。

…それだけ危険って事なんだよな、やっぱ。

「……判ったよ。行かない」
「……」
れいんは答えない。
まだ疑ってやがるのか?

「おいおい、お前を信じたから、俺は行かないって言ってんだ。
だからお前も俺を信じろ。
行かないって言ったら行かない」
「…わかった」
漸く信じてくれたのか、れいんは大きく頷いてくれた。

そして、
「私はそろそろ帰るわ。カオル達も残して来ちゃったし」
「…ああ」
「それと、これ」

「何だ?開けて良い?」
おもむろにれいんから手渡された謎の包み。

ずっと大事そうに持ってたのには気付いていたが、なかなか手渡してくれないからてっきり見舞いの品じゃないのかと思ったぜ。

ちょっと心踊りながら開けてみる。

「…」
「喜びなさい」
「いや、何これ。
ものスゲェグロテスクなフィギュア出てきたんだけど」
「これは今人気のメンヘラ女と性悪男ってアニメの、チェリオちゃんのゲームセンターのプライズ限定フィギュアよ。
二種類あったんだけど、リストカットverしか取れなかった」
いやいや、喜べねーよ。
リストカットしてる女の子のフィギュアなんか貰っても毛ほども嬉しくねーよ。
とか言いながら、フィギュアを逆さまにしてスカートの中をチラッと見てしまう俺。
こればっかりは弁解させていただく。
何の気なしだ、マジで。
別にそう言うつもりじゃなくてだな。

てか、さっきからス○ムダンクとかるろうに○心とか、メンヘラ何とかってアニメだとか、コイツそのスジのもんか?

何今更キャラ立てようとしてんの?
ただでさえれいんって結構キャラ濃いと思うんだけど。
まだ足りないってか?
今更オタク設定いらねーだろ!?

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あきゅろす。
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