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チンピラのお兄さん3
「えっと、さっきは失礼しました〜」
「い、いえっ!オレこそ突然押しかけてすまねぇっス!」
パジャマから普段着に着替えた明花は、家にあがった健児に向かって頭を下げた。
お互い気まずい雰囲気が流れてしまった。
しかし人懐っこい健児は興味深そうにきょろきょろと室内を見回したり、お茶を用意している瞬生や斜め向かいに座っている明花に質問したりし始めた。
明花としては、瞬生と同年代の知り合いが訪ねて来て何となく嬉しそうな瞬生が微笑ましかった。
まぁまだ朝のハプニングのことを根に持っているようだが、そこは他人に見せたりしない。
見事に『李瞬生』を演じていた。
「二人は家族なんスか?」
「はいっ!私は李明花と言って、瞬生の妹です」
「妹さんなんスかぁ!家族一緒で良いっスねぇ!」
健児の人懐っこい性格に、明花は瞬生がお茶の準備してくれているちょっとした間に少しずつ打ち解けていった。
あははっと笑い合う二人のところに、瞬生がお盆に茶筒や急須を用意して来た。
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