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風×骸
ヴァンパイアデビル U(完結)
チュン、チュン・・・

朝を知らせる鳥のさえずりが気持よく響く

骸「ぅ・・・・ん?」

骸が目を開けると目の前には白いシャツが見える。その白いシャツのを着た人物、風は骸を抱きしめながら寝ていたのだった。

骸「な、っちょ!」

ドンッ

骸は急いで自分から風を遠ざけようと両手で勢いよく風を押した。一方、突き飛ばされた風は床で頭を強くうったらしくムクリと起き上った。

風「なに、するんだ・・・?」

骸「へ?」

風はものすごい怖い顔で風を睨みつけている、昨日の優しかった顔が嘘のようだ。

風「せっかくベットまで運んでやったのに・・・」

そういうと風は骸の上に乗りかかってくる

骸「ちょっと、昨日そんな趣味無いって・・・〜ッ!」

骸は全部言い終わる前に風の口によって遮られた。

骸「ぷはッ!いきなりなにするん―・・・」

そう言おうとすると風に顔をつかまれ、クイッと上にあげられた。風は不敵とも呼べるような笑みを浮かべている。

風「綺麗だとばかり思ってが・・・よく見れば、かわいい顔してるじゃないか。」

(骸:この目・・・やっぱり、昨日の目とは違う。でも、どこかで・・・そうだ!昨日僕が血を吸われたときに!)

風「御名答、俺はこいつの中にいるヴァンパイアの時の人格だ。夜と朝にちょっとだけしか出てこれねえけどな。」

骸「そんな、なんでそんな事が!」

風「なぜかってそりゃあ・・・」

風はにやりと笑う

風「こいつが正式な、ヴァンパイアじゃないからさ。」

それを聞いて骸の目は開かれる。

骸「正式な・・・ヴァンパイアじゃ・・・ない?」

骸はそれだけを言うのが精いっぱいだった。

風「そうだ。つまりは、こいつがヴァンパイアになりきれてないってことさ。」

骸「ヴァンパイアになりきれないって、ヴァンパイアは生まれた時からそうなんでしょう!?」

風「それは違う。もともと生まれた時は普通のどこにでもいるような人間なんだ。ひとつだけ違うのは生まれたら
  すぐに両親の血を全て吸って一カ月で五、六歳くらいになるって事だけだ。」

骸「じゃあ、なんでフォンは!そうならなかったんですか?」

風「それはこいつが、両親に捨てられたからだ。」

骸「両親に・・・捨てられ、た?」

風「ああ、しかも誰も来ないような廃ビルの中にな。」

すると、風の体がかすかに光り始める。

風「おっと、時間切れみたいだな・・・言っとくけどこいつに同情なんからねえからな。それと・・・気をつけろよ」

骸「は?」

風「こいつ、相当お前の事好きらしいみてぇだからな。掘られんなよ」

骸「ほ、掘られませんよ!」

そこまで言うと風は一瞬だけ微笑むと目を閉じた。するとしばらくたってからまた目が開いたが、ものすごく動揺した様子だった。

風「む、むむ!骸!?これは、いったい・・・なんでこんな事に!?」

(骸:あ、戻りましたね)

先ほどの風とはものすごく違う。

骸「フォン・・・」

風「あ、っはい!」

骸「苦しいです。」

風「あ、すみません。」

風は急いで骸から離れる。そして、恐る恐る聞いてみた。

風「ところで・・・私何したんですか?」

骸「別に何も?・・・ただ、キスされただけですよ」

風「き、キス!?ああ、ファルってば手が早いんですから」

骸「ファル?」

風「見たでしょう・・・私のヴァンパイアの時の」

骸「ああ、見ましたよ」

風「あまり、見せたくなかったんですが・・・」

骸「ねぇ、フォン・・・あなたが僕の事好きって本当ですか?」

風「だ、だれがそんなこと!?」

骸「ファル・・・?から聞きました。」

風「・・・・そうですよ!すみんませんでしたね。」

骸「いいですよ、付き合ってあげても。」

風「え?」

骸「嘘です。」

風「そ、そんなひどいですよ。」

骸「その代り、この家で暮らして下さいね。また倒れられたらいやですから。」

そこまで言うと骸は、風に触れるだけのキスをした。

骸「それじゃあ、僕は朝ご飯を作りますから。」

バタンッ

風「ま、待って下さい!今のって、どういう!?骸!」

(骸:しばらくは認めませんよ。それまで、楽しませてくださいね)

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