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どりーむ
The heart that was tied up 2


この時 私はまだ解ってなかったんだ
歯車が動き始めている事に────。





The heart that was tied up 






「梨乃っ!!!」
俺は幸村が倒れたと聞いて真っ先に梨乃の顔が浮かんだ。
あいつは幸村の彼女じゃ。 悲しまないはずがない。
それどころか泣き崩れてるかもしれん。
あいつが悲しんでたり困ってたりした時は、少しでも支えになりたいと思う。
重症じゃな、俺も。
【好き】って気持ちが溢れとる。 多分、柳あたりは気付いとるじゃろ。
もちろん、幸村も────。



梨乃の教室にはすでにあいつと幼馴染の丸井が来とった。
「梨乃っ!!!」 俺が物凄い勢いで教室に入ったからなのか周りがザワつき始めた。
すると、丸井が梨乃を引っ張って俺のところまで来た。
「仁王っ!! こいつ、どうにかしてくれよ!! 幸村が倒れた事がよっぽどショックだったのか、さっきから訳の解んねぇ事ばっか言ってやがるっ!!!」


訳の解らん事…?


「ちょっ…!!! 何それ!! 私がバカみたいじゃん!! 大体、精市が倒れたとか言ってるブン太達の方が訳解んないよっ!!」



はっ…? こいつ信じとらんのか?



「梨乃、いい加減目ぇ覚ましんしゃい。 幸村は急な呼吸困難で今さっき倒れたんじゃよ!!」
「仁王まで…!!! どうしてみんなして精市が倒れたとか言うの? だって精市が倒れるはずないじゃない!!
昨日、一緒に帰った時、あんなに元気だったのよ!? いつもみたいに『また明日。』って言ったんだよ!?」
梨乃はその場に泣き崩れた。
その時、雨が降って来た。 まるで梨乃の心を表してるみたいに。
俺はどうする事も出来なくて、ただ丸井が背中をさすってるのを見ていた。
「とにかく落ち着こうぜ? 泣いたって何も始まんないし…な?」
丸井がそう言った時────




「適当な事ばっか言わないでよっ!!! 私の気持ちも知らないくせにっ!!!」
そう言って梨乃は教室を飛び出した。



「梨乃っ!!!」 俺はとっさに追いかけた。
昇降口まで来たところであいつはこの大雨の中、外に飛び出した。
あのっ…馬鹿っ!!! 俺は傘も持たずに梨乃を追いかけて外に飛び出した。




学校を出てちょっと行ったところにある公園の前で梨乃を見つけた。
「梨乃っ!!!」 俺が名前を呼ぶと逃げ出した。
「何で逃げるんじゃ!!」
「来ないで!! 私の事はほっといてっ!!!」
その瞬間、梨乃の速度が落ちた。
今だ!! とばかりに腕を掴んだ。
「離してっ!!! 離してよっ!!!」 思い切り腕を振り切ろうとしとる梨乃を見て、本気で嫌がっとるんじゃろうなと思った。
けど、ここで離したらまた逃げるじゃろ?
「梨乃、落ち着きんしゃい。」
「嫌っ!!! 精市がっ…精市が死んじゃうっ!!!」
「大丈夫じゃ!!! ちゃんと病院に運ばれて治療しとる。 お前さんがそんなんじゃ、幸村が悲しむぞ?」
「精、市…うっ…うわぁぁっ!!!」




その時、俺は何が起こったのか解らんかった。




俺は 大雨の中、梨乃を抱きしめていた────。




fin.



あとがき

書き終わって思った事。

展開が遅いっ!!! 全然進んでない!!!

無駄に文が多いだけで、何の進展もしてないですね;;
すいません…;;
次は仁王と幸村の両方を登場させたいですね!!!

では、ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

08/8/30 にーな

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あきゅろす。
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