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夢を見たい
出会いは偶然に?





幼くなったことに落ち込んでトボトボとリビングまで戻り手紙を再度見てみれば、学校に通うのは明日かららしい。
設定上高校生かららしくて、それも高校2年。今の季節は4月の上旬で入学式から1週間とちょっと経った時。

まぁなんとも微妙な…
お金は毎月30万入るから大丈夫なんだけど…


「どうしようか…」

問題は衣服だ。
普段着が一着に、見覚えのない制服。

どうしてトリップなんてしてしまったのだろう…
昔は好きだったから願ったこともあったが、今はどうでもいい。それに私が人が嫌いなのを神様は知っていると思う。ガソタンの店長は別だけど。
あの人は優しい…
私が寂しい時、ずっと傍に居てくれて…
確か丁度この時期からガソタンで働くようになって、少しずつ人と関われるようにしてくれたのもあの人だ。
だが、やはり人は嫌いだ。
何せ……
アイツらが…


「…狽チ!!…やめとこ…」

ダメだ。
アイツらのことを考えると吐き気がしてならない。

どうにかこのモヤモヤを抑えるように、茶封筒に入った30万円の札束から5万ほど抜き出し家をでた。―








「…買いすぎた、かな。」

ふぅと一息付けば、両手に持っていた買い物袋を一旦地面に置き、腰を伸ばす動作をする。
とりあえず生活に必要な衣服やら食べ物やら洗剤やら、手当たり次第に買った。それだけ買うとやはりと言うか、荷物も増えるわけで…一瞬だが、「家に持って帰れるかな?」と心配したが一人暮らししてたし、こういうのは慣れているので大丈夫だ。

だけど、小さくなった身体…ちょっと流石にキツいが誰も助けようとはしてくれない。まぁ私も見ず知らずの人が困ってても絶対に助けたりなどはしないが…
まぁ突っ立てるわけにもいかないので「よいしょ…!」と足と手に鞭を打ち、気合を入れて再び歩き出した……が!

人とぶつかり転けてしまった。地面にぶつかるまでがやけにスローモーションで流れて、何故自分がこんなことになっているのかを思い知らされる。
あぁ…人生とは面白いようでつまらない。
私が何をしたのだと言うのだろうか…トリップなんてしなければ、こんな公共の場で転けると言う醜態を曝さずに済んだのに。本当にイラつく……―


そんな中、誰かが支えてくれたのか、荷物がフワリと浮いて私はと言うと少し汗の匂いが混じった、程好い筋肉がついた、たくましい男の人の胸の中に居た。





「…ぇ……あ、…」

「大丈夫ですか?」

私は一瞬何があったのか分からずにどもっていたが、声を掛けられたことにより瞬時に状況が掴めた。
助けてもらったのだ…

「ありがとうございます…」

そっと助けてくれた人から離れて顔を上げれば、私は思わず固まった。こんな偶然があるのか……
さっそくテニキャラ出現…


「怪我でもしましたか?」

「(や…柳蓮二……)」

そう。目の前には原作より更に少し大人っぽくなった参謀こと柳蓮二が居た。
心配そうに声を掛けてくれたので、未だに真っ白な頭を振り切るように「大丈夫です。本当にありがとうございました。」と言って頭を下げた。

そしたら彼は「いえ。当然のことをしたまでです。」と、それはそれは麗しい笑みを浮かべた。
美形の恐ろしさを知りました。











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