小説
右隣の住人
大体の物は片付いた。後は空になったダンボール箱を畳んで終わりだ。
個人で引っ越しをすると、ダンボールを多く使うので後が面倒だ。部屋の中に作業スペースがなくなってしまったので、扉を開けて廊下に少しはみ出して作業する。
(今度引っ越す時は業者さんに頼もうかな……)
ガムテープを剥がしていると、
ズボッ
「うわっ!」
いきなり目の前が真っ暗になった。
「邪魔」
「あ……すみません」
隣の部屋の人か。普通にどけって言えばいいのに。
そりゃ人の通り道を塞いでた俺が悪いんだけどさ。
畳み終わったものを急いで部屋の中に押し込む。
そして未だ箱のままのものを回収しようと振り返る。
「……って何やってんですか?!」
よくそんな小さいのに入ったな。
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