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short
屈するべきか

 ネウロの気紛れに付き合わされるなんて日常茶飯事。

 もちろん、この場合の気紛れ=虐待/拷問だよ。


 縛られる
 吊るされる
 つねられる
 ひっぱたかれる
 エトセトラエトセトラ……


 それも、慣れた。
 もーぅ、慣れた。

 慣れたくて慣れたんじゃないけど、慣れてしまった。



 吊し上げた私を覗きこんで、ドSな魔人はいかにも楽しそうに、
「『生きててすみません』
 …と、言え」
 なんて言う。

「誰が」
「ほう」
 私がそんなこと聞き入れるわけないってわかってるくせに。
 何度も、何度も。
 こんなとこだけは、どこか何かおマヌケなヤツだなと思うしかない。


 口が引っ張られる。耳も引っ張られる。
 いいかげん、あたしの人相も変わっちゃうかもしれない。

 何度思ってきたか知れない。そんなことは。


 でも…あたしはゼッタイに屈しなかった。決してネウロに媚びなかった。


 それが何をもたらすかなんて知らなかったけど…
 ただ、そうゆう行為が、日常になっていくだけだった……



 ふ、と。笑みの表情がおさまったと思ったら、どこか気難しげな顔になって…
 ためいきをつくネウロ。

 ふん、だ。こんな時に何なのよ。


 頭をがっしりと握りこんで、とても近くまで顔を寄せた魔人は言った。


「ご主人様を惑わせて申し訳ございませんと。
 ……言え」

 …囁くように。




 目の前の見慣れた瞳が妙にキレイに見えて、直視出来ない。だけど顔は動かせないから…
 やっとの思いで、あたしは目をつむる。



 縄は解かれたけど…
 あたしは更に逃れようのない大きなものに絡め取られて、体はもちろん、心までも身動きが取れなくなってしまった。




 ひとりの女に固執する気持ちはわからん…なんて言ってたクセに……


 それはあたしのせいだってネウロは言う。


 ずるいなぁ…ヒトのせいにしちゃって、さ……



*******
何かちょっと、いささかペリドットっぽくない文章な感じがする

mainのふたりではないね少なくとも

どちらにしてもこうなるけど(笑)


20150416


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