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〜確信〜 10
手紙の選別が一段落しても2人は、黙ったまま何をするでもなく……
不意にネウロは、
「…ときにヤコ。
……もしも]が我が輩に化けたとしたなら、貴様はそれをすぐに見抜けるか?」
そう、問いかけた。
偽物の笹塚を少々の会話で看破したことは、手紙の選別中にそれとなく聞き出した。
試すようで嫌な気はするが、訊かない訳にもいかない衝動にもまた、かられる。
弥子は、頬のすぐ脇に顔を寄せる魔人に、
「問題外だね、そんなん」
即答する。
ネウロには、その返答の意味合い…
…判るのか否か…
…は俄かに理解しかねた。
「あんたの、その限りなくふてぶてしくて、小憎らしい独特の雰囲気ってさ。誰にも…あの]にだって…真似できるワケないと思うけど。
一発で判るよゼッタイ」
非常に腹立たしいたとえだとは思ったが、答えそのものは希んだままのことば。
「…なるほど…
それでこそ、我が輩の……」
唐突に、先程]に語った、己が科白を思い出した。
『アレは、我が輩の奴隷。
我が輩の所有物であり、即ち全てが我が輩のものであるというだけだ』
―真にその通りになるのは、まだまだ先だろうがな…―
この生ぬるさもまた、心地良いものであるから……
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