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〜確信〜 09

 突然、目の前につき出された手紙の束。
「そう思って我が輩が取ってきてやった。喜ぶがいいぞ。ヤコよ」
「…はい?」

 ネウロがわざわざ、そのようなことをするのが、弥子には俄かに信じがたく、
「あっ…あんたが持ってきたのー?! 明日は嵐だよっ!!」
 …と、ついうっかり叫んでしまうのも致し方ない。

「…ム。もっと、それらしく喜べんものか」
 ネウロは言いながら、棘の無数に生えた両手で、弥子の顔を包み込みにかかる。
「ぎゃー!! ごめんなさいごめんなさい!!
 いやっホントッ!! 感謝してます! 有難うございます!!」

「わかればよろしい」
 ネウロは悪戯小僧のようににんまり笑う。そして弥子に手紙を持たせ、自分はソファにどっかりと座り込んだ。

「詫びる気持ちがあるなら、読め」
 背もたれに尊大に両肘をかけながら、弥子を見上げる。いかにも愉しげに。

「…も〜…
 いーかげん、自分で見なさいよねー」
 と、溜め息をはきつつも、いそいそとネウロの懐に座り込む弥子。

「…面倒くさい」
 頭を顎置きに定め、ネウロは呟く。



 ようやく嵐の過ぎ去った、元の事務所の空気に、あかねは安心したように、ゆらゆらと穏やかに揺れていた……








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