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〜吾代受難〜 09
俺の様子を見てか、化け物は探偵の肩越し…つーより耳に口を付けんばかりに、
「声を、出すな。吾代が困っているぞ」
と、憎ったらしいぐれぇ愉しそうな声音で囁いた。
つか、オイオイ。
その聞きようによってはアブナいセリフ、ワザとか?ワザとなのか?
探偵は健気にも、作業を続行しながら横目ですぐ側の化け物を見る。
顔は上気して赤い上、汗ばんでもいる。フツーにアヤシいって!!
反応って、電気ショックみたいなもんなのか?
や、知りたくもねーが…
「だってネウロが…」
涙目にまでなってる。そら、化け物の立場になれば、愉しかろうな。コレ。
「我が輩は何もしていないと言っている。貴様が勝手に感じているだけだ」
だからその言い方をやめろ!!
探偵は諦めた様子で、前に向き直る。
延々と……
耐えることでますます妖しくなっちまった、声。
化け物がアゴを探偵の体のどっかに打ちつける音と、それに対する軽い悲鳴と抗議。
書類をめくる音。
隣の三つ編みが、いかにも楽しげに揺れて壁に当たる音。
………………
ああぁぁ…
ヘンタイだ…コイツら揃いも揃ってヘンタイだ…
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