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〜吾代受難〜 06

 俺はさりげなく秘書のデスクに移動した。
 化け物どもがふたりの世界にどっぷり入っちまってるんで、仕方ねーじゃねーか。


 この秘書とは、前に関わった事件のちょい前に知り合った…つーか、この事務所にいたことを知ったんだけどよ。最初こそびびったが、この『化け物どもの巣窟』では何でもアリだと思えば、すんなり受け付けられるもんだ。
 それに、風貌はアレだが、この事務所ン中では唯一まともな常識人だしな。

 その秘書に、俺はこっそり聞いてみる。
「…コイツらいつもこーなのか…?」
『はい、お手紙のご依頼の場合は、最近いつも』
 秘書は楽しげ(…に見えるんだこれが)に、答える。


 何があったんだか知りたくもねーけど、ずいぶんとまぁ、進展しちゃってんじゃねーか。
 ついにデキたか?


「んん〜多い…」
 探偵は一掴みした書類の束を眺めてまだ言ってやがる。
 それでも、化け物様のお口に合いそーなのだけ、厳選したんだ、こちとらは。
「遅い。さっさと始めんか」
 化け物は、つくづく良いご身分である。


 と、

「あんっ!!」
 探偵が悲鳴を上げた。

「……?」
 びっくりするじゃねーか。





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