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〜吾代受難〜 04
とりあえず俺は立ったままコーヒーを啜る。ソファに向かい合ってなんざ座れねぇ。
探偵は、俺が持ってきた手紙を開封しだした。便箋を取り出し、何やら口ン中で呟きつつ内容を読んでは、テーブルに置く…を淡々と繰り返す。
何通目かでさっき化け物が抜き出した封書に、探偵は手をかけた。
「おっと、これは、あるね…」
探偵はそう言うと、開封済みの封書とは別のところに、それを置いた。
なるほど、中身を見て、化け物が『謎』とやらがあんのか、探偵に知らせて、分別する作業してんのか。
つーか化け物!!テメー横着しすぎだ!!
化け物はといえば、黙って探偵の手元を眺めながら、両手を頭に置き、アゴを頭にぶつけ、肩にアゴをぶつける…を延々と繰り返すだけ。退屈そうに見えなくもないが、顔はまたずいぶんとご満悦そうじゃねーか。
「今日のお手紙はこんな感じだね」
探偵は手紙を封筒に再び戻しながら、後ろの化け物を見上げた。その時の化け物は、後ろから腕をのばして探偵の前で手を組んで、アゴは探偵の頭の上。
…今更だけどよ。
テメーらくっつきすぎなんだよ。
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