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〜吾代受難〜 01

 この事務所に来んのは、俺がヤツらに『デキてんのか?』つー質問をして、何だかんだで化け物にブッ飛ばされて以来だ。

 探偵はあれからも律儀にメールや電話を寄越してきて、俺の煮えくり返ったハラワタもだんだんおさまって…俺はこうしてまた、事務所…『桂木弥子魔界探偵事務所』別名『化け物どもの巣窟』に、化け物の餌の元を届けに来たんだけどよ。



 段ボールを肩に担いで、ついでに郵便受けから事務所宛ての手紙を取り出す。
 探偵は素直に喜んでくれんだろうが、化け物にはハナから期待してねぇ。

 エレベーターで4階。テナントの一番奥の事務所へ。

「チィ〜ス」
 一応声をかけて、俺はドアを開ける。
 事務所内には、いつものデスクじゃなく、ソファに腰掛けて悠然と新聞を読む化け物と、例の『ミステリー作家殺人事件』の前あたりに存在を知った、三つ編み秘書しかいなかった。

 新聞を読む化け物の手が珍しく、黒い革手袋じゃないのに、まず目がいったが、そーゆーこともあんだろ。

「お、探偵はまだ来てないのか…おっこいしょ…っ、と」

 肩に担いでた段ボールをおろすと、
「ここ!ここ!!吾代さんお久しぶり!!」





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[次P#]

あきゅろす。
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