main storyT
〜確信〜 07
「…もしもアレの主人たる我が輩を差し置いて、貴様がヤコを殺したなら……
貴様に、あらゆる苦痛と屈辱を知らしめたのち……」
言葉を、切る。
射抜くような、視線。
]はぞわりとし、身の危険を感じたが、最早遅すぎた。
音もなく、高く跳躍したネウロは、槍状に変化させた腕で、いきなり]の心臓のあたりを貫く。
「な………!」
「………殺す………」
バランスを崩した]に、ネウロはそう、囁いた。
]は、避雷針の先から、ビルの谷間に真っ逆さまに落下していく。
ネウロは、その姿を確認もせず、]が轟音とともに地面に激突した時には、最早屋上から姿を消していた………
「大丈夫かなーネウロは…」
弥子はネウロの椅子に座り、開け放たれた窓の外を眺めて、ひとりごちる。
…と、
突然、目の前に逆さまの顔。
「……!!」
「ご主人の心配をするとは我が輩を侮っているようで面白くないが、忠実なる奴隷として及第点をやっても良いか」
ビルの壁から逆さまにぶら下がり、ネウロは弥子の鼻先を抓り上げる。
「あー…ごぶじでなによりでございまふ…
ていうか、早かったね」
弥子は安心してしまい、されるがままの自分に甘んじるのだった。
[*前P][次P#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!