main storyT
〜確信〜 06
とあるビルの屋上。
「やれやれ、あんたと戦り合う気、今回はなかったんだけどなー。
ただ確認したかっただけなんだけど。俺」
避雷針のてっぺんに器用に立ち、]は、わざわざまた笹塚の姿に戻り腕組みをしながら、つまらなそうに語りかける。
「…ヤコを殺して、か」
「そ。だって、あんたの弱点はあの娘みたいだからね。
まずあの娘をあんたの目の前で殺して、それからあんたをゆっくり料理しようと思ってたんだけどさぁ…」
「…貴様が何を勘違いしているか知らんが」
]を見上げる形で、髪をビル風に靡かせながら、ネウロは静かに言う。
「ヤコは我が輩の弱点…などではない」
「へぇ…嘘臭」
]は軽口を聞く。
「アレは、我が輩の奴隷。
我が輩の所有物であり、即ち全てが我が輩のものであるというだけだ」
「ふぅーん。めんどくさい言い方するんだね」
「…我が輩の流儀では、我が輩のものの生命は、我が輩の手の内にのみ握られる。他の者の干渉なぞ許すことはできん」
語りながら、ネウロは左腕を変形させてゆく。
「………」
「貴様が我が輩を殺そうとするのは大いに自由。いつでも相手になってやろう。
……だが……」
[*前P][次P#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!