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〜確信〜 03
「な…に言ってんのよあんた!さっさと離し……!!」
叫ぶ弥子の表情が、恐怖にひきつり、続く言葉を紡げなくさせる。
弥子に向けられた、]の手の変化した刃が、ゆっくりと喉元に喰い込みつつあるが為。
「………ッ」
「いやでもホントびっくりしたよ〜。バレるなんて考えもしなかった。
…最初から気付いてたの?
俺自信なくなっちゃうよなぁ…こんな娘に呆気なくバレちゃうんじゃさ」
]は言う。あくまでも明るく。
「さ…いしょはわからなかったわよ。だけど…途中から……わかった」
「へぇ?どのあたりで?」
拘束したままで顔を近付ける]の表情はどこまでも無邪気。弥子は恐ろしさのあまり、目をぎゅっと瞑った。
「そんなこと…あんたに教えるもんか…!」
―]の活動に有利になるような情報なんて…!―
「へぇ。
…あんたって意外と命知らずなんだね」
刃が喉に喰い込み、皮膚が僅かに破れた。胸元あたりを抑えつける腕の力も、臓腑を潰されると思える程に強く、痛い。
「強情だね、この娘。ねぇネウロ」
]は遊んでいるかのような口調で、だが苦笑いを浮かべた。
拘束する腕と、首元に引っかけられた刃に、力が更に少しばかりかかり、痛みと恐怖がまたもよぎり…
『笹塚』が]なのだと途中で気付いたにも関わらず、ここまで連れてきた報いなのかと、弥子は一瞬思う……
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