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〜確信〜 01

「弥子ちゃん」
 聞き覚えのある低い声に、弥子は振り返る。
「あ、笹塚さん!」
 そこには、馴染みの刑事が立っていた。

「びっくりしたー。どうしたんですか? お仕事でこっちに?」
「いや別に。
 …そーとも言えねーかな。たまたまこっちに用事があってね」
「ひょっとして、ウチに?」
「ん…、まあね」
「私も買い物帰りで戻るとこなんですよー。それじゃ一緒に行きましょう?」

 そんなくだりで、並んで歩き出した2人。



 事務所への道中、お喋りな弥子につられてか、笹塚もいつになく様々なことを口にした。


 今受け持っている事件のこと。
 思ったより捜査が難航して、少し手詰まりなこと。
 まだ怪我が完全に癒えていないのか、少々キツいこと。

 …諸々。
 笑みを交えつつ話す笹塚に、
「そうなんですかー…」
 弥子が相槌を打つと、そこはもうビルの前だった。


「…どうぞ、笹塚さん」
 弥子の招くような仕草に、笹塚は、ああ、と笑うと、エレベーターに乗り込んだ。


「ただいま…」

「お帰りなさい、先生。お望みのものは見つかりましたか?」
 ネウロは、弥子が笹塚を伴ってくることが既に判っていたので、余所ゆきの出迎えをした。


「ごめんネウロ。
 連れて来ちゃった」

 弥子は苦笑いを、浮かべた。








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