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〜進展〜 07
翌日。
「ただいま〜」
『おかえり弥子ちゃん☆』
「………て、アレ?」
いつもの『遅い』がないことを、弥子は訝しむ。
「なんだネウロ居ないのかぁ。しょーがないなぁ…急いでソンしちゃったよ」
『…………』
あかねがそわそわしているかのごとく揺れているように思えたが、弥子は特に気にせずに給湯室の冷蔵庫に飲み物を取りに行こうとして、
「……きゃっ…!!」
思わず、すっ頓狂な声をあげてしまう。
天井からネウロが逆さまにぶら下がり、いきなり目の前に顔を突き出せば、驚くなという方が無理な話。
そして、
「遅いぞ」
いつもの台詞。
「何してんのよネウロ!!」
ネウロは悪戯小僧のような笑みを浮かべ、
「退屈だったのでな。出迎えの台詞にマンネリ感を覚えていたのも、あったようななかったような」
「あっ…そぉ…」
蝙蝠のように天井からぶらぶら揺れるネウロは、やけに可愛げがある。
「それよか、ハイ!今日の分のお手紙だよ。今日こそ何かあるといーよね!」
ネウロは、差し出された手紙の束を弥子の顔に押し返し、さらっと愉しそうに、
「ではヤコよ、読め」
と、言った。
「はーいはーい」
弥子は、間の抜けた返事と共に、その場で便箋を開封しはじめた。
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