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〜進展〜 05
「ネウロー」
弥子は困り果てて、拗ねたような声音で呼び掛ける。
この様子では、これに感じるものなどないようだとは察せられたが、ここが探偵事務所である以上、この態度は困る。
「ネーウーロー」
「…うるさい」
…と、弥子の視界が突如高くなり、移動し、ソファに落とされ座らされた。
正確には、ソファに座ったネウロの脚と脚の間に、ちょこんと置かれた形。
「そんなネコ掴むような…いつものことだけどさ…ていうかコレ何ですか?」
魔人は答えず、先ほどの言葉を繰り返す。
「ヤコ、貴様が見ろ」
―あぁナルホド…ていうかコレ何ですか?―
心の中で納得と疑問が同時に沸き上がったが、素直に開封する。
思わず手が震えがちになるのは、致し方がない。背中に、魔人の気配を濃厚に感じるのだから。
一通目。
「ウチのネコ探して下さい…だって」
「……………」
二通目。
「遺産相続でもめてます…て、事務所違いじゃん!!」
「……………」
三通目。
「1日数分!!これだけで貴女の胸が2サイズアップ!!…て、イヤミか!!」
「……(封書の表書きでわかりそうなものを…)
…やってみたらどうだ?」
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