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〜不可解〜 10

 ネウロは、弥子を囲っていた腕を壁から離した。
 弥子はほっとすると共に、この支離滅裂な成り行きに、文句の一つも言いたくなる余裕も取り戻す。

「…ホンット、ネウロはワケわかんない」

 魔人は、
「そうだろうな」
 率直に認めた。

「スポンジ脳如きに、そう易々と理解されてもらっては、魔人の名折れではないか、なあヤコよ…」
「なぁって言われても」

 すると、唐突になんの脈絡もなく顎を引き上げられ、唇…の端の本当にぎりぎりのところに口付けられた。

「………!?」

「……わからなくて、良い。
 今は」

 強気な台詞だが、魔人の瞳は伏せがちで……

「これ以上喰われたいなら話は違うが」

 弥子がぎょっとする間もなく今度は瞼に、目尻に、ことばとは裏腹に優しげに口付ける。


 ……そんな魔人に、どうしてそれ以上強いことが言えるだろう……

 しまいに少女は、肩に顎を落としてしまった相手を、優しく抱き締める形になってしまう。



 恐れているのは果たしてどちらなのか…



 ひとりのときが最早遥か昔のこととなり、ひとりではないときを失わぬよう願いをより強めるのは、果たして、どちらなのか……




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あきゅろす。
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