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〜不可解〜 08
「…本当にスカスカなのだな、貴様の頭の中は。脳みそがスポンジで占められているのではないか?」
「とうとう生き物でも食べ物でもなくなっちゃったワケ?…あっ、スポンジケーキかな。
…ていうか、いきなり何?」
ネウロは、ふ、と碧の瞳を細めた。
愚かなほど、無知…
残酷なほど、無邪気……
それに翻弄される我が身……
「ヤコよ。言わずとも判っていると思い、敢えて口にせずにいたが…そこまでの下等さ加減であるのなら致し方あるまい。
よく聞くがいい」
苛立ちと焦燥と、僅かな嘘を含むことばに、また緊張と戦慄が走った。
「我が輩は、貴様を喰うに相応しいときまで、いくらでも待ってやる。
だがもしも…
…もしも…
この我が輩を裏切るようなことがあれば……」
「………」
弥子は気迫に押され、ゴクリと唾を飲んだ。
「………………
貫き殺すぞ…………」
低く静かなもの言いがかえって恐ろしいひとこと。
ネウロを裏切るとは、何のことを言っているのか。
貫き殺すという物騒な脅かしは、どういうことなのか。
まるで解らない筈なのに、頭の奥のどこかでは、理解し了承しているようで……
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